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『高気密・高断熱住宅との出会い 』 By中西 2024.06.04
私がこの仕事に就いたきっかけ
はじめに、ブログについてですが、今まで週3回宮崎、堀、私中西の3人交代で2005年より現在に至るまで19年間上げてきましたが5月21日の宮崎のブログを筆頭に28日の堀のブログ、6月4日は私のブログの週1回毎週火曜日にUPします。内容についても今までよりも濃く、充実したものに変更しました。
本日は変更後、第1回目の中西ブログなので、「高気密・高断熱住宅との出会い」と題しましてこの仕事に就いたきっかけから書こうと思います。
私は東京都豊島区生まれで3歳の頃に葛飾区柴又のとなり町に引っ越してきました。
どこもウサギ小屋と言われる小さな家が並んでいる下町です。
団地があちらこちらに建ちだしたのもちょうどその頃です。
私は子供の頃から家の間取り図を描くことが好きで、応接間と自分の部屋がある家に住むのが夢でした。
昔はリビングとダイニングにつながっているという概念はなく、台所の横に和室があって、ちゃぶ台でご飯を食べるのが一般的で大きな家には応接間がありました。
時は経ち結婚をして子供が出来、そろそろ家がほしいと考え、子供の通う小学校の学区内に自宅を建てました。
どんな間取りが良いだろう?対面キッチン?独立型?
2WAYで洗面所に行けるのがいいな。
外壁はモルタルそれともサイディングにするのか?
壁紙は?
どれくらい考えたでしょうか。
毎日が楽しくてたまりませんでした。
当時、専業主婦だった私は「こんなに楽しいことを仕事にしたい!」と考え、天職だとさえ思いました。
とはいえ、前職は事務職で、建築は何もわからないまったくな素人です。
そこで、まずは建築の学校に通うことにしました。
たまたま、柏市には建築の職業訓練校があり、そちらに1年間通いました。
その後、住宅メーカーで専用CADを使ったパースを描く仕事をしたり、新橋にある設計事務所でトレースの仕事をしたりして何年かが過ぎました。(トレースとは設計士さんが手書きした図面をCADで仕上げることです)
衝撃的だった「高気密・高断熱住宅」との出会い
ある時、住宅メーカーのインテリアコーディネーターの友人から「面白そうな建築セミナーがあるから行こうよ」と誘われました。
そこで目にしたものは
真冬の雪深い欧米の家の中で過ごす家庭の映像で、小さな男の子まで家の中では半袖のTシャツ姿でした。
当時の日本の住宅といえば…
当時の日本の冬は家の中は寒く、廊下に出れば“ぶるっ”と震え、朝は顔から上は冷たく冷えきり、布団から出るのが辛いのが普通でした。
もちろん一枚ガラスのアルミサッシで隙間風が入る家だって普通にありました。これ、昭和の話ではありません。平成に入ってからでもこんな感じです。
欧米ではこんなにもオープンな間取りの中でどこにいても冬に半袖で暮らしている!?
「これからは日本でもそんな家が建てられる!快適に暮らすことが出来る」そんな内容のセミナーでした。
つまり、高気密・高断熱住宅の話でしたが、当時、高気密高断熱住宅というワードなどありません。
“えっ、そんな眉唾のような家があるの?”本当に衝撃でした。
それが本当ならば建て替えたいけど、多額の住宅ローンは残っているし・・・
エムアンドエー設計工房に入社
それから少しして2000年に縁あって当時千葉県柏市にあったエムアンドエー設計工房に入社することになったのですが私はびっくりしました。
あの時、衝撃を受けた高気密高断熱住宅を手掛けている設計事務所がこんな近くにあったなんて!
その頃、日本では空気層のアルミのペアーサッシが出回りだしたころでしたが、エムアンドエー設計工房では建材をアメリカから輸入していて、その中には遮熱高断熱の樹脂サッシがありました。
断熱材もアメリカ基準を採用し、気密に於いてはドライウォールを内壁に塗り、コンセントなどの周りにビニールの豆腐のパックのようなカバーをして空気の流入を防ぎ気密を取るのだと言うのです。
もちろん、全館空調なので家中どこにいても同じ温度で暮せるとのことです。
聞くもの、見るものすべてが素晴らしかったです。
宮崎は1994年に独立し設計事務所を立ち上げましたが、それ以前より断熱性能の高い住宅の設計を手掛けていたそうです。
今も昔も変わらず、断熱・気密オタクの宮崎は顕在で、今では昔よりも高性能な断熱建材が入手出来ますので、より快適な高気密で高断熱な住宅を作っています。
日本に於ける省エネルギー基準
ちなみに、日本に於ける省エネルギー基準ですが、1980年S55年に省エネルギー基準(旧省エネ基準)が初めて制定されました。
つまり、この時初めて住宅に省エネという言葉が出来たのですが、断熱等性能等級2、UA値1.67、窓はアルミサッシ+単板ガラスで壁の断熱材(グラスウール)の厚さは30mmだそうなので、断熱材を入れてもあってないようなレベルです。
そして、12年後の1992年H4年に改正され新省エネルギー基準が出来ました。
断熱等性能等級は3になりUA値は1.54、サッシは変わらずアルミサッシ+単板ガラスでグラスウールの厚み55mmです。
その7年後の1999年に次世代省エネルギー基準に改正され断熱等性能等級4、UA値0.87、窓はペアーサッシになり、壁の断熱材が100mmになりましたが全く一般的ではありません。
この後省エネルギー基準は2013年H25年と2016年H28年に改正されていますが、断熱等性能等級は4のままUA値は0.87で大きく変わっていません。
宮崎によると高気密高断熱住宅というワードをみんなが言い出したのは東日本大震災後位だそうなので、まだ12年ほどしかたってないようです。
ペアーサッシは普通になりましたが、今だにペラペラの断熱材を入れている住宅を多く見かけます。
エムアンドエー設計工房にいらしゃる方々は冬暖かく、夏涼しく過ごせる快適な家を求めています。
私は、現在高気密・高断熱住宅に住んでいますが、本当に快適です。
次回はその話を書きます。