\お気軽にお問い合わせください/
柏市根戸 耐震・省エネ・生活改善リフォーム
こちらでご紹介する耐震省エネ改修事例は、同居するお母様の為に耐震から省エネ改修、そして生活改善(間取り・使い勝手・バリアフリー)までの改修工事を行った事例で、数々の業界新聞や雑誌にも取り上げられました。
経緯
お施主様は、弊社が載っていた【千葉で家を建てる】の本から、近隣である弊社に興味を抱き、ホームページを確認され来社されました。
取り組み
来社された際の第一声が「家が寒いんですけど、暖かく出来ますか?」という単刀直入な言葉でした。
お話を伺い、ご自宅を拝見させて頂き調査、繰り返し行われた打ち合わせで省エネ改修の他、「近い将来、車椅子になるかも知れない母親の為にバリアフリーにしたい」「使い勝手が悪く、部屋が暗い」「地震が心配」など、改修は多岐にわたりました。
改修前と改修後の設計図です。
設計図でもわかるように主生活の場を今回の改修工事としました。
使い勝手の悪い台所~和室~客間を一体の空間として、暗く寒い裏廊下~水廻り~和室も廊下を無くし、お体の不自由なお母様の為に車椅子でも容易に動けるように徹底したバリアフリー化を行い、動きに無駄の出ない間取りとしました。
また、設計段階で「1階の続きの和室はほとんど使わない」という事で、今回の改修からは除外。
併せて断熱区分からも除外する事で改修コストを削減する事が出来ました。
広々空間でも快適な家
1階の改修部分だけでも畳46帖分にもなりますが、エアコン1台ですべての空間の暖・冷房を賄っています。
お施主様にお伺いしたところ、真夏では29℃の除湿運転、真冬でも20℃の設定で十分暖かく過ごせるそうです。
竣工まで
既存の外観
ビフォー
典型的な農家風住宅のたたずまいで、外壁は‘焼杉板’と漆喰で構成されています。写真は南面
ビフォー
北面は今回の工事で大幅な改築を施したため、既存の外観に合わせ新しい‘焼杉板’を張りました。
リビング・ダイニング
ビフォー
この奥に陽の当たらない和室、そして台所がありますが、暗く寒い空間で使い勝手も悪い間取りです。
アフター
客間・和室・台所を一つの空間として、リビングとダイニングキッチンの間に畳の間を設け、明るく心の休まる空間にしました。
和室
ビフォー
暗く寒い、使い勝手の悪い空間です。
アフター
壁を取り払い、リビングとダイニングキッチンを空間を繋ぎ、キッチン側の障子を閉める事でキッチンを見えなくする事が出来ます。
ダイニングキッチン
ビフォー
アフター
洗面室等
ビフォー
北側の水廻りです。寒い・暗い・段差の三重苦の空間です。この手前にお母様の和室があります。
アフター
お体の不自由なお母様が車椅子になっても不自由なく動けるよう設計された水廻り空間と部屋。
リフォーム・リノベーション工事の施工ポイント
解体
解体です。
ご覧のように壁の中は結露しています。
断熱材の施工が悪く、夏冬問わず結露していたため、構造材である柱や間柱にも腐食が見られます。
この住宅は、建築されてからまだ15年と築浅ですがこのような状態です。
断熱材の施工は一歩間違うと‘家’そのものを崩壊させてしまう要素を含んでいます。
土台の腐食状況
この部位は水場ではなく、普通の部屋の外壁です。
外壁施工と断熱施工の弊害がこのように構造体をむしばんでゆきます。
正しい施工技術と正しい知識で作られていればこのような事にはならなかったはずですが・・・
土台の作り直し
上記の土台を入れ替えた写真です。
この土台を始め、腐食材は全て交換しています。
この住宅は、基礎と土台との間に‘ゲタ’と呼ばれる木材で床下の通気を行うもので、現在にも通じます。
現在では木材の代わりに‘高強度プラスチック’製となっていて基礎の風孔を作らない為、基礎の強度を落とす事のない良い工法です。
床下に防湿コンクリート
後にも出てきますが、床下に防湿コンクリートを打ちました。
ただコンクリートを打つだけでなく、現在のベタ基礎と同じように土間部分に鉄筋を配し、基礎の一体化を図っています。
このような基礎補強を行う事により、地震時の地盤の欠落や液状化などに対抗しえる安心な基礎になります。
腐食していた構造部材を入れ替え
腐食していた構造部材を入れ替えて、現在の先進的な仕様と同じく、構造用合板で構造耐力をと取りました。
弊社では在来工法でもツーバイフォー工法の長所を生かし、筋交い(斜材)に頼らない、面で支える高強度な耐震設計をしています。
合板も日本の縦使いではなく、欧米のような横使いをして‘ねじれ’に対抗する構造としています。
引き寄せ金物
耐震構造計算により、地震時の縦揺れに有効な‘引き寄せ金物(ホールダウン)’を必要な個所に装備しました。
弊社の新築では当たり前の装備ですが、リノベーション(リフォーム)工事でも改修の規模により、現在の耐震基準にまで耐震性能を引き上げる事が可能です。
これこそ、さらに数十年と安心して暮らしてゆける「目に見えない安心」となります。
耐震診断士だからこそ出来る‘技’なのです。
火打ち金物
金物は、隅角部にいれる‘火打ち金物’で、建物の変形を予防する金物です。
また金物の奥に見るベニヤは、‘通気止め’です。
在来工法で床下が通気している場合の欠点が壁の中に入る空気です。
湿った空気が壁体内に入るとたとえ内壁でも‘結露’が起こります。
この住宅でも起こりうる為、各壁で壁内に空気が入らないように施工しています。
外張り断熱と樹脂サッシ
外張り断熱と樹脂サッシ。
大幅な改修を行ったため、新築で採用している‘外張り断熱’を採用しました。
断熱材は、国内最高の数値を誇る‘アキレス外張り断熱材’を用い、サッシも熱伝導がアルミサッシの1/1000という樹脂枠サッシの採用により、枠も結露の心配がありません。
ガラスも新築住宅同様、省エネガラスの‘遮熱高断熱Low-E’を採用。
低光熱費を実現しています。
防湿コンクリート
この住宅では、床下、つまり地盤面は土のままでした。その為、地盤面からの湿気対策として‘防湿コンクリート’を打ちました。
現在のベタ基礎でもそうですが、厚みのあるコンクリートは熱を溜めて少しずつ放出してゆく特性があります。
その特性を生かし、‘地熱’を利用した‘蓄熱体’となり夏や冬に安定した熱を床下から放出して床材を温め、足先などが寒さを感じる事がないようにしています。
構造の組み換え
間取りの変更に伴い、柱や壁などを撤去するため、梁の掛け替えが生じます。
構造強度と将来に亘る材の変化を考え‘大断面集成材’を用いて、構造の組み換えを行いました。
断熱
さて、ここからは断熱です。
新築住宅では‘外張り断熱’そして‘基礎断熱’も行っていますが、今回の既存住宅部分では床下の空気の流入を防ぐ事が出来ず、また基礎の断熱も不可能でした。
そこで、床下は‘高発泡ポリスチレン断熱材 50mm’を床下に隙間なく敷き詰め、断熱化を図っています。
この上に構造用合板、そしてその上に桧の無垢フロアを張っています。
内壁と天井の断熱
内壁は上記設計図の工事範囲(赤線内)を‘高性能グラスウール’を用い断熱区画しています。
既存住宅では、1階の天井裏も断熱材がなかった為、同様の断熱材で施工。
ここまでご覧になってお分かりのように、この住宅では‘外張り断熱’と‘充填断熱’が混在しています。
断熱や断熱施工の知識や技術はもちろんの事、リノベーション(リフォーム)工事では、コストと性能のバランスが特に重要となります。
いたずらに高価格品を使うのでは無く、効果的な断熱をする事がコストを抑える要因ともなります。
2階の天井裏断熱
当初、2階の改装は予定されていなかった為、既存の天井を壊すことなく施工できる‘現場発泡ウレタン’を吹き付けました。
2階の壁は内側から解体して、外壁を壊さず‘高性能グラスウール’で断熱。
これで2階も1階と同様、暑さ・寒さから解放された空間となりました。
内装
最後に内装です。
弊社では内装クロスに‘エコクロス’を採用し、接着剤も有害な化学物質を含まないものを使用しています。
また、塗装も自然塗料を使用していますのでシックハウスシンドロームの方でも安心して暮らす事が出来ています。
新築・リフォーム共に弊社は「あなたの街のホームドクター」として、そして建築設計事務所として多岐に亘る知識と技術で、 安心と安全そして快適性を提供いたします。
まずはお気軽にご相談ください。