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松戸市幸谷 日当たり改善・結露対策と高断熱リフォーム
経緯
ご夫婦とお子様一人の3人家族が住む、築20年の建売住宅を「日当たりの向上と結露対策&住み心地の良さの追求」そして「効率の良い冷・暖房を目指した断熱の強化」を目的として今回のリノベーション工事を決意されたA様。
インターネットの検索で弊社を含む数社に相談されたそうですが、最終的には実績の多さ&提案力、そして女性(主婦)コーディネーターがいる弊社を指名されました。
取組
図面を見せて頂いた限りでは耐震に一番問題がありました。
精密診断を行い、耐震を含めた‘使いやすさと充実した収納’を考え大幅な間取り変更を提案する事により、既存住宅の耐震強度0.65(倒壊する可能性あり)から1.64(倒壊しない)に大幅に改善。
省エネ部分の改修では、弊社新築住宅と同じ外張り断熱を採用し、気密もUP。(下記参照)
これにより外気温32℃の真夏時でも、室内はエアコンを点けずとも28℃で家中(1階)一定温度。
また結露対策は、これも弊社新築住宅同様、次世代エコサッシと言われる遮熱・高断熱ペアガラス樹脂サッシを採用する事で生涯結露無しの生活が出来ます。
又、基礎断熱を採用している為床下部分に直接物が収納出来ます。
日当たりと使い易さを追求した間取りでは、収納を約7倍(面積)に増加させ、生活動線をシンプルに。
使いづらかった既存のバルコニーを解体してリビング上部にトップライトを入れ、壁面の窓も配光を考えた位置にした事で家内が隅々まで明るい空間となっています。
階段下を利用した2帖の書斎がご主人のお気に入りです。
耐震と断熱
改修部位 | BEFORE | AFTER |
---|---|---|
基礎 | 布基礎で床下部は土の状態で換気なし | 鉄筋で補強の後、コンクリート敷き |
床 | 土台の上に根太、その上にフロア | 土台・大引の上、厚床合板28mm ネダレス工法 |
内・外壁 | 筋交い(斜材)にて耐震 但し、入れ間違いにて強度なし | 高強度合板+ホールダウン金物 +コーナー金物にて耐震(既存の2.5倍の強度) |
基礎断熱 | なし | 基礎外張り断熱(内部)+土間断熱 40mm |
外壁断熱 | グラスウール50mm | 外張り断熱 40mm |
屋根断熱 | なし | 屋根用RZ外張り断熱 50mm |
玄関ドア | アルミ製ドア | 断熱・気密ドア(FRP製) |
窓 | アルミシングルガラス | 遮熱・高断熱ペアガラス樹脂サッシ(エコサッシ) |
換気 | なし | 24時間ダクト式機械換気システム |
竣工まで
外観
ビフォー
高台で周囲を住宅に囲まれている為一部のみですが、モルタル壁で玄関や窓は全てアルミ製、ガラスはシングルガラスです。
アフター
改修後の外壁は、高強度合板の上外張り断熱を施し、通気+乾式サイディング仕上げ。玄関は、断熱気密ドア
玄関ホール
ビフォー
一般的な住宅の玄関ホールですが、土間と床との段差が245mmありバリアフリー基準外でした。
アフター
玄間正面に趣味のロードバイクを収納及びディスプレイしました。
インテリアはパインで統一し、木の温もりを感じる空間になりました。
ビフォー
手前に見えるのが和室の入り口
廊下を進んだ正面がリビングです。
アフター
外断熱の効果により仕切りのない一体空間としました。
右に見えているのは、電気蓄熱式輻射熱暖房機。冬はこれ1台で家中を暖めます。
リビング~和室
ビフォー
6.7帖のリビングとデッドスペースになっていた和室です。
奥の押入れは結露により‘カビ’の巣窟になっていました。
アフター
1つの空間となったL・D・K
正面の壁は柱を化粧として出し、パイン材でデザインしました。
これは、空間のポイントとして、階段とトイレドアの目隠しをして空気の流通口にもなっています。
W・I・C(ウォークインクロゼット)
アフター
収納面積は以前に比べ7倍に増えました。
内部の家具はIKEAの商品です。
建築的に棚などを作るより割安で、将来の変更にも対応できます。
洋室から書庫へ
ビフォー
既存の2階の洋室は使用されず物入れになっていました。
アフター
ご夫婦共に蔵書が多く収納場所に苦慮していた為、不使用の洋室の半分に2×4の構造材で本棚を作りました。「いくら載せても大丈夫!」と好評です。
リフォーム・リノベーションの施工ポイント!
高強度パーティクルボード
壁を面として支えます。
既存の住宅での構造は、地震などの外力に対抗する‘筋交い(すじかい)’という斜材が入っていましたが、入れ方に問題があり機能していませんでした。
今回の構造改修では、2×4工法(ツーバイフォー)の考えを取り入れ弊社新築住宅にも採用している’高強度パーティクルボード’を採用して、外壁を1枚の’面’として強度を高めました。
これにより、壁強度が2倍となり地震時の揺れを緩和しています。
また、地震時の縦揺れに対抗すべく’引き抜き金物(ホールダウン)’や各柱の軸力を強化する’コーナー金物’も追加されています。
コーナー金物
床合板(28mm)と柱を繋ぐ金物で、引き抜きの力に対抗します。
全柱に装着しています。
基礎の改修
既存の住宅では床下は土であり(左写真)、内部基礎では空気が通る穴もありませんでした。
改修では、点検が出来るように既存基礎に穴を明け、土間部分も基礎を補強する鉄筋を入れ、現在の基礎と同じく‘ベタ基礎’にしています。
これにより基礎断熱と併せ、床下は湿気も無く室内空間と同じ環境になっています。
根太レス工法
根太レス工法とは、通常基礎の上の土台に根太という小さな材料を通して床下地を作るところ、土台(大引)を均等な間隔で並べ、厚床合板(28mm)を直接敷き込み、床の剛性を高める工法で、最新の耐震技術となっています。
腐食材の入れ替えと構造の組み換え
ほとんどの場合、水廻りの木材は腐食しています。改修工事ではこのような材料は全て新しい材料に入れ替えをしました。
また今回の工事では、間取りの変更も行っているので、柱を抜いたり、新しく入れたりしているため、構造の組み換えが必要となりますが、その際の材料も高い強度がある集成材を使用しています。
省エネ(断熱・気密)
既存の住宅では外壁にグラスウール(10K)50mmが装填されていましたが、残念ながらいい加減な入れ方だった為、機能していませんでした。壁内部では結露も見られるほどのありさまです。
今回の断熱改修は、弊社新築住宅と同じく’外張り断熱’を採用ました。
外壁は’壁用外張り断熱40mm’、基礎は’基礎用外張り断熱40mm’と’土間用ボード40mm’、1階屋根は’屋根用外張り断熱50mm’&’高性能グラスウール100mm’のオリジナルW断熱で家全体(1階部分)をすっぽり覆っています。
これにより24時間ダクト式換気システムと相まって、改修階全体が一定の室温となり、快適な空間が出来上がっています。
既存の断熱材
挿入の仕方も悪く、水廻り部では壁内での結露も見られました。
今現在でもこのような間違いだらけの断熱施工が行われています。このような施工では省エネを謳う事は出来ません。
基礎断熱
基礎断熱は、内部から施工しました。
奥に見える白いボードが基礎の立ち上がりの断熱、黄色いボードは土間用のボードです。
基礎の熱橋(ヒートブリッジ)を緩和します。
壁断熱
外張り断熱材は、外張り断熱のパイオニアであり高い性能を誇る‘アキレス’の‘外張りQ1ボード’を使用しています。横に這っている黒いテープは気密テープ、竪に流れている黒い材料は外壁通気工法の胴縁で空気を下部から取り入れ、上昇気流を生むことで断熱の効果を高める工法の材料です。
通常、木材を使用しますが弊社では将来にわたり腐食がない樹脂製の材料を使用しています。
屋根W断熱
弊社新築住宅では標準仕様となっている独自の断熱方法で、屋根を構成するタル木の上部では屋根用外張り断熱、内部では高性能グラスウールを使い北海道地区でも通用する性能で、寒い冬も暑い夏でも快適な空間を作る為の断熱です。
インナーサッシ
間取りや断熱などの改修はしなかった2階ですが、窓だけは改修をしました。
平成25年までの時限処置である「リフォーム減税」に対応すべく、既存のアルミサッシの内側に樹脂製のペアガラスを装填。
窓からの熱の出入りを大幅に削減でき、次世代省エネ基準をクリアする、優れものです。
弊社では新築住宅以外にも、今回の建物のように「耐震」や「省エネ」を伴う‘リノベーション工事’(生活改善型)や‘手すり一本’からのリフォーム工事まで、幅広く工事を行っています。