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エムアンドエー設計工房の変遷について その1 by宮崎
今回から数回に分けて私みやざきと会社、そして弊社の家づくりの変遷についてお話してゆきます。
会社名の由来
こんにちは、宮崎です。
今年は創業して30年の節目にあたります。そこで今回はエムアンドエー設計工房の変遷についてお話したいと思います。現在の株式会社エムアンドエー設計工房は1994年9月に専業の個人建築設計事務所の‘M&A設計工房’として創業しまし、事務所は当時の自宅であった団地の一室を使い製図版1台でスタートしました。
よく聞かれるエムアンドエー(当初はM&A)の語源ですが、設計事務所のネーニングにおいて〇&〇のようにアルファベットの頭文字を使う事が多くあり、当時の私も本当に簡単に考えてみやざきのM、そして最終的には妻の名前の頭文字のAとアルファベットの先頭文字である同じAを掛け合わせてM&Aとつけました。
‘M&A’というと一般的には英語の「Mergers(合併)」と「Acquisitions(買収)」の略で、企業の合併や買収を意味しますよね。会社のネーミングとしてはいい言葉とは思えないのですが、インターネットも無い時代にこの言葉と意味を知るのは設計事務所登録後の事で、今となってはもう少し考えてネーミングすれば良かったな~と思う事もあります。
また法人化する際にも先を見据えて〇〇ホームや〇〇ハウスなども考えましたが、当時のお施主様などに意見を求めたところ、「今のままの方がよい」という意見も多く、現在に至っています。
創業当初は….
ここで少し創業前の私みやざきについて触れておきましょう。
私は大学卒業では無く、東京都北区王子にある‘中央工学校建築科’の卒業で、高校を卒業後2年間コンピューターの会社にいましたが、訳あって建築の道に入りました。
卒業後は都内の設計事務所に入所し‘ツーバイフォー工法’を知り、学びました。
このツーバイフォー工法との出会いが今の私を形成してるのだと思います。
自宅で仕事をしたのは9月からの4~5か月の事で、次第に手狭となり、また仕事とプライベートの区別もつけにくくなった事から駅近くのマンションのワンルームを借りる事としました。当時の家賃は5.5万円。
この頃になると都内での打ち合わせも多くあり、少し快適な仕事環境になったのです。
今でこそ建築業が主体となっていますが、創業当時はツーバイフォー工法の作図、特に構造図を主に書いていました。そう、当時はまだ手書きの時代で、以前に勤めていた会社や知り合いの建設会社の設計図が主な内容でしたが、次第に仕事量も減りはじめ、先を見越して輸入住宅メーカーや大手住宅メーカー、そしてデベロッパーの仕事をする事となり、人手不足もあって現在の中西や堀を雇う事にしたのが2000年です。
今でもこの2人は会社にいますので、もう24年(2024年9月現在)も一緒に仕事をしています。
これも凄い事ですね。
転機…..
転機は2002年。
この数年前からリフォーム関係の方と知り合い、設計仕事の傍ら少しずつ少額のリフォーム工事を始めていました。
そのため、まずは2001年に法人化(当初は有限会社)しました。
するとその数か月後、まさに転機が訪れます。
中西の友人宅の屋根が台風で一部飛んでしまい、設計事務所で仕事をしている中西にSOSをしたのです。
このお宅は当時3世代が暮らす古い住宅で、トタンで出来ていた屋根は錆び付き、また他でも老朽化している事もあって補修しても長くは持たない状態である事を告げると「建て替える」という話になりました。
スタート時は弊社で設計をして私の知り合いの工務店で建築するという話で進めたのですが、当時から省エネ住宅の設計を数件していたこともあり、この話をしながら私は「これは建築業にも乗り出す契機かもしれない」と思い出し、中西の友人宅という事もあり中西と議論したことを思い出します。
この以前から私はカナダのR2000住宅や新省エネ基準を勉強していて断熱・気密オタクになっていて設計だけでは物足りず、施工も行いたいと密かに考えていました。
そこですぐに建設業を取得し、お施主様の了解を得てスタート。
失敗できないというプレッシャーと作る楽しみを抱えて出来たのが「柏市常盤台の家」です。
当時では少なかった‘高気密高断熱住宅’とフランスで暮らした事のあるお施主様の希望である‘フランスの片田舎に建つ家’を目指し、日本では数少なかった‘遮熱高断熱ペアガラス樹脂サッシ’や性能の高いアメリカの断熱材、そして階段材や建具類の多くをアメリカから輸入して設計/施工しました。
完成したのが2003年ですから今から21年前になります。
勤務時代も含めると住宅設計では数百棟の設計実績がある、私の最初の設計、そして施工物件となりました。
その後、柏市あけぼののワンルームマンションから北柏のオフィスビルに移転します。
アーキテクトビルダーの始まり
ここから私のこだわりの家づくりが始まりました。
まずは構造。
構造は独立前にいた設計事務所や住宅メーカーに勤務していた頃から親しんでいた‘地震に強いツーバイフォー工法’をメイン構造としました。
ツーバイフォー工法のメリットは何と言ってもモノコック構造での高い強度があげられます。昨今の大きな地震でも倒壊した住宅が無いのがその証です。
尚、現在では在来工法でも多くの実績があります。在来工法で設計・施工する際には、柱や梁は集成材での金物工法で施工し、筋交いに頼るのではなくツーバイフォー工法培った面材で強度を取ります。これで在来工法ながらツーバイフォー工法と同様の高い高度が得られ、大きな開口も作る事が可能です。
断熱はツーバイフォー工法の利点を生かして当初は充填断熱を採用していました。ただ、この充填断熱を正確に施工するには施工する大工さんに断熱に関して勉強してもらう必要があり、また正しく施工するには非常に手間がかかり確認作業である管理も必要以上でした。
今でも多くの会社で壁の中に断熱材を入れる‘充填断熱’を採用していますが、細かなところまで気を配って正確に施工している会社は多くありません。生半可な知識では本当の‘高断熱高気密住宅’とは言えませんね。
そこで断熱については多くのメリットが得られる理想の断熱‘外張り工法’と出会い、採用する事にしました。
・・・・・・・・・次回に続く。
施工地域は、千葉県、茨城県を中心に高気密高断熱住宅を専門に注文住宅を設計/施工しています。