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建築物の高さ制限について
建築物の高さについては、建築基準法によって周辺の環境や用途地域を考慮し、様々な制限が設けられています。
高さに関わる制限には、
・北側斜線制限
・道路斜線制限
・隣地斜線制限
・絶対高さ制限
・日影規制
といったものがあり、複数の制限がかかる場合には、最も厳しい制限が適用されます。
各制限において、建築物の各部分の高さは次に掲げるもの以下としなければなりません。
「斜線制限」は、所定の位置から所定の勾配で発生する「斜線」を建築物が超えることのないように、建築物の形状や配置を設定しなければなりません。
斜線の基点となる隣地境界線や前面道路から建築物が離れるほど、高さ制限をクリアしやすい、ということです。
通常、建築物の高さは「建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さの水平面」=地盤面 から、建築物の各部分まで(最高の高さ、軒高など)の高さを算定します。
建築物の接する周囲の地面に3mを超える高低差がある場合は、高低差3m以内ごとに平均の高さの水平面を設定します。つまり、敷地の状況によっては地盤面が複数存在することもある、ということです。
<北側斜線制限>
第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種・第二種中高層住居専用地域内において
建築物の各部分から前面道路の反対側の境界線または隣地境界線までの真北方向の水平距離 に1.25を乗じたもの +5m(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域)または10m(第一種・第二種中高層住居専用地域)
・斜線の基点は北側の隣地境界線上、地域・地区によって地盤面から垂直方向に5mまたは10mの高さから、となります。
・敷地の地盤面が隣地の地盤面より1m以上低い場合、また敷地の北側に水路等がある場合などに緩和措置があります。
<道路斜線制限>
建築物の各部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、用途地域・その他地区・区域ごとに定められた数値を乗じたもの
・斜線の基点は前面道路の反対側の境界線上、高さは道路中心部の高さから、となります。道路面が敷地地盤面より低ければ高さ制限がその分厳しくなります。
・道路斜線制限には、用途地域・その他地区・区域ごとに定められた「前面道路反対側の境界線からの『適用距離』」もあり、その距離を超えた範囲(道路からある程度離れた箇所)については道路斜線については制限なし、となります。
・建築物を境界線から後退して建てる場合、道路が2面以上接道している場合、道路の反対側に水路や公園等がある場合、道路面が敷地地盤面より1m以上低い場合等に緩和措置があります。
<隣地斜線制限>
建築物の高さが20mまたは31mを超える場合に※
建築物の各部分から隣地境界線までの水平距離に、1.25または2.5を乗じた※もの +20mまたは31m※
※印・・・用途地域等により異なる
・斜線の基点は隣地境界線上、地盤面から垂直方向に20mまたは31mの高さから、となります。
・敷地の地盤面が隣地の地盤面より1m以上低い場合、建築物を境界線から後退して建てる場合、隣地側に水路等がある場合などに緩和措置があります。
この制限がかかる建築物は、高さが20又は31m以上であるということから、一般的な規模の戸建て住宅であれば、基本的に制限にかかることはありません。
<高度地区による斜線制限>
上記の北側斜線制限によく似ているもので、都市計画法に基づいて定められる「高度地区による斜線制限」があります。
高度地区とは自治体ごとに定められるもので、その地区内においては高さ制限や北側斜線制限が定められています。
一つの敷地・建築物に、北側斜線・高度地区による斜線の両方がかかるケースも考えられますが、適用されるのは他の斜線制限とも同様に「より厳しい制限の方」です。
斜線制限は、建築物にかかる基本的な高さ制限の種類です。
斜線の勾配など、基本的には建築基準法に定められているものですが、東京都・横浜市など一部の都市では個別に条例で別の数値を定めていることもあります。
各斜線制限には制限を緩和できるケースがありますが、その他にも
以前お話したことのある「天空率による高さ制限の緩和」があります。
北側・道路・隣地斜線制限に抵触してしまう建築物でも、その建築物における天空率を算定し、一定の条件をクリアすれば、建築することができます(高度地区による斜線制限は緩和不可)。
斜線制限以外の高さ制限の規定として
<絶対高さ制限>
第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域内における建築物の高さの限度として、各自治体が10mまたは12m という限度を設けています。
原則として、それらの地域内における建築物は、この高さの限度は超えてはならないとされています。
建築物の高さにかかる制限は、隣地や周辺地域、また前面道路の採光・見通し・通風を確保し、また街並みや景観を保護し生活環境を良好に保つといった目的のために定められています。
一方で、場合によっては建築物のデザインや高層部の利用・活用に制限をかけるものでもあり、時には緩和もうまく利用して、建築物を計画することも重要となります。
また 日影規制というものも、建築物の高さに関わる規制の一つですが、こちらはまた別の機会にお話ししたいと思います。















