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耐震 その1
先週の中西のブログにあったように国や県などの補助金によって改修・保存修理された輪島市の重要文化財が1月1日の能登半島地震でもろくも崩れ去りました。
耐震というと皆さんは建物が壊れないものと考えているかも知れませんがそれは間違えで、倒壊するまでに中にいる人間に逃げる時間があるというのが耐震の考えです。
大きな地震が起こっても建物には何の問題も無く普段通りの生活が出来るだろうというのも大きな間違えで、そのように考えるならば‘免震構造’や‘制震構造’にしなくてはならないと思いますが、それでも問題が生じないという事は無いと私は思います。
現在私は柏市で行っている無料簡易耐震診断相談会に相談員として年に数回参加しています。
現在柏市では2000年以前に建築した住宅の診断や改修に補助金を出しています。
大きな地震があると報道されるので皆さんご存知だと思いますが、1981以前は旧耐震と言われ、以降は新耐震と言われ各行政では1981年以前の住宅の診断や改修に補助金を出していましたが、現在では1995年の阪神淡路大震災を受けた2000年に耐震基準が改正され、2000年基準として前出の補助金も1999年以前が対象になっています。
じゃあ、耐震診断に基づき、精密診断をして耐震改修工事をすれば、安全なのでしょうか?
耐震診断は現在の建物の基礎や壁の量などと劣化の具合を数値化して評点を導きます。
得られた評点は、1.0を境に1.0~0.7でやや危険、0.7未満では倒壊や破壊の危険がある、また1.0から1.5で一応安全、1.5以上で安全と判定されます。
簡易耐震診断では最低条件を決めて行っている事もありますが、私たちが過去に行った無料簡易耐震診断相談会では1.0以上の判断は1件も出たことはありません。
また私自身も数多く一般耐震診断を行っていますが、1.0以上の数値が出る事は稀で、2000年までの住宅でも正形で壁の配置が良い建物以外は1.0の基準値も怪しいのが現実です。
また改修工事といってもどのレベルを目指すのか?
どこまでやれば安全なのか?
建物はいいけど、基礎は?本当の所の地盤強度は?
難しい事がいっぱいなのが耐震補強・改修なんです。