私は専業の建築設計事務所の時代、数社の住宅メーカーの設計協力を行ってきました。そこではお客様をランク付けし、お施主様の為ではなく自分の利益だけを考える多くの営業マンを見てきました。仕事を得るため、時には口八丁手八丁で契約へと誘導し、注文住宅なのに自由が効かない現実を目の当たりにして、担当したお施主様が不憫でなりませんでした。
そんな私が建築業への進出を決めた際に思ったのは「すべてはお施主様の利益のために」そして「業者と施主という垣根を作らない」という事です。
建築は究極のクレーム産業と言われます。業者は「引き渡しが終わると出来る限りお施主様とは顔を合わせない」というのが常。しかしそれではただのビジネスの関係で、信頼や絆は生まれません。
建築後も安心して‘顔がみえる’これが私たちの家づくりです。
住宅は野菜や肉などのように‘売り切り御免’の商品ではありません。時には不具合が生じたり機器が故障したりするものです。そんな時に気軽に連絡出来、すぐに来てくれる。 これこそが「安心」というものです。
私たちは「家を建ててからが本当のお付き合いの始まり」と公言しています。
そこで私たちはお施主様方と継続的な関係を維持するため、友人や親戚のような関係を常に心掛けています。こうして将来までのお付き合いを公言し、実行するには、提供する住宅に自信がないと出来ません。建築後のこうしたコミュニティが私たちの建築理念であり、最大の財産であると考えています。
一例として、弊社では24時間機械換気システムの定期メンテナンスも行っていますが(有料)、このメンテナンスも私たちとしてはお施主様方と顔を合わせる大事な機会で、メンテナンス終了時にはお茶をごちそうになったり、わざわざ私たちが好きな菓子などで毎回もてなして下さるお施主様も・・・。
こうした関係を構築出来ているのも業者と施主という垣根なく、何でも話せる友人や親せきのようにお互いがお互いに思いやっているからこそだと私たちは感じています。