リフォームについて

弊社では、設計事務所ならではの「提案型」リフォームを推進していて、特に間取り変更も伴う‘耐震改修’と‘省エネ改修’でも多くのお施主様から絶賛の声を頂いています。

「耐震改修」では有資格者(耐震診断士)としての‘耐震診断’の後、資金との兼ね合いを考え最大限有効な手立てで‘改修提案’を行い、現在の耐震基準に合わせた安心して暮らす事の出来る改修提案を行います。

「省エネ改修」では十数年来「省エネ住宅」だけを提供してきた知識と技術、そして誇りで‘冬は暖かく、夏涼しい’現代の高気密・高断熱住宅に生まれ変わらせる事が可能です。

又、新築同様に弊社コーディネーターがデザイン性だけでなく、女性、そして主婦の観点から使い勝手や動線、設備機器の選定や収納方法までも奥様と一緒に考え提案します。これもOB施主様から喜ばれている一因です。

弊社には営業マンはいませんので、連日電話攻勢をかけるなどといった事はいたしませんので安心してご相談ください。疑問点や不安な点を一つずつ丁寧にお答えして、納得のゆく家作りのお手伝いをさせて頂きます。

事例1 茨城県阿見町の家

依頼経緯

「省エネ住宅」をキーワードに検索。弊社のホームページから資料請求を頂き、「これからの住宅は省エネが必須」という観点から事例にもある「松戸市幸谷の家」を内覧し、リノベーション工事でも多くの実績がある弊社へ依頼されました。

過去のお施主様同様、キーワードは‘寒さ’‘暑さ’からの解放

内容は既存住宅の耐震を含めた省エネ改修&お子様世帯の増築ですが、窓からの熱の出入りを考え改修しない部屋でも‘インナーサッシ’を入れ、省エネ化を図る事に。

取り組み

既存住宅に関しては‘省エネ’は基より、窓のバランスも悪かったので‘耐震’を考慮しつつ一部を除き、使いやすい間取りに変更、設備もガス併用から将来を考えオール電化に変更しています。

既存の住宅はその他の事例と同じように一部の改修を行うために床・壁・天井の断熱は‘充填断熱(高性能グラスウール)’を採用し、窓は弊社新築住宅でも採用している次世代エコサッシである‘遮熱高断熱ペアガラス樹脂サッシ’を採用し熱損出を最大限抑えています。

増築部の仕組み

増築部は木造軸組(在来)工法を採用していますが、構造的な強度と長期使用に耐えうるエンジニアリングウッドで構成し、大きな地震にも耐えうる最新の金物工法で組み上げられています。また既存住宅(古い)と増築住宅(新しい)では建築時の耐震基準が異なるためにエキスパンションジョイント(EXPJ:構造を分ける)金物で繋ぎ、地震の際に異なる揺れでも互いの建物に影響を与えない構造で建築しました。

断熱は基礎・土間・外壁は‘外張り断熱’、屋根は外張り断熱と充填断熱の弊社独自の2重断熱工法で施工された‘次世代基準’の住宅となり、内部では無垢材をふんだんに使用し、表し仕上げで‘木のぬくもり’&‘リラクゼーション’を表現しました。

写真でみるBEFORE & AFTER

既存住宅(母屋):耐震改修&省エネ改修をした部分

BEFORE → AFTER

改築前のリビングダイニング

リビングとダイニングが仕切られ段差もあり使い勝手が良く無い

改築後のリビングダイニング

天然木フロアと無垢パインで統一し、空間を一体化する事で奥行きが出来る

改築前のキッチン

家事動線が悪く使いづらいキッチン

改築後のキッチン 1

少し高めのカウンターがリビング側からの視線を遮りキッチンの中が見えず、空間も一体化

改築後キッチン

人大カウンターと一体成型された黄色いボウルが印象的なシステムキッチン(IH仕様)

改築前のエントランスホール

断熱性能の無いアルミ玄関戸が冬の寒さを呼び込み、また土間と廊下の段差がきつい玄関ホール

改築後のエントランスホール

断熱性能の高い玄関ドアを採用し、段差をバリアフリー寸法に、また自然素材を多用したホール

増築住宅(お子様世帯):新築同様の耐震性能と次世代基準の省エネ性能を有する

ファミリールーム(増築部)

無垢素材がふんだんにあふれ、吹上の大きな勾配天井が空間の広さと安らぎを与えます

ロフト(増築部)

無垢の杉フロアとパイン材で構成され自然あふれる大空間のロフト(奥の棚は書棚)

マスターベッドルーム(増築部)

構造材表し天井がやすらぎと和の雰囲気を高めています。奥の白い機械は蓄熱暖房機です(冬の暖房は家中、これ1台)

ユーティリティ(増築部)

母屋との接続部分である機能性あふれるユーティリティルームミニキッチンや洗面・洗濯機を備えます

耐震と断熱

既存住宅である母屋は、耐震性能を高めるために間取りの変更に伴い窓の位置やバランスも配慮した設計として、既存の筋違いを生かし、耐震性能の高い外壁パネルを採用しています。 また省エネルギー性能を高めるために高性能グラスウールで断熱区画を明確にし、熱損出の高い窓では次世代サッシの遮熱高断熱ペアガラス樹脂サッシを採用。増築部は強度の高いエンジニアリングウッドを耐震性の高い金物工法で構成し、外張り断熱で省エネ性能は次世代省エネルギー基準を大幅にクリアしています。

既存住宅の耐震性能

高強度パーティクルボードと熱伝導の少ない樹脂サッシ

既存住宅の省エネ性能
床断熱
高性能グラスウール80mm

既存住宅の省エネ性能
天井断熱:高性能グラスウール155mm
壁 断熱:高性能グラスウール105mm


【新設された住宅の省エネ性能】

基礎断熱と土間断熱及び外壁断熱は
アキレス外張りQ1ボード40mm

屋根断熱は
アキレス屋根用Q1ボード50mm

屋根面W断熱
高性能グラスウール105mm


茨城県阿見町の家  概要
既存住宅部(母屋)改築面積 56.45㎡(17.07坪)
増築面積 68.16㎡(20.61坪)
今回工事面積 124.61㎡(37.68坪)
工期 3か月

事例2 柏市根戸の家Ⅱ

依頼経緯

中古住宅を購入して居住していたが既存部分の耐震不安と使い勝手に不満があり、インターネット検索に依り、弊社他数社に打診。提案と既存住宅がツーバイフォー工法という事もあり、‘耐震’‘省エネ’に併せツーバイフォー工法で実績のある弊社が依頼を受けました。

取り組み

耐震の問題では無造作に増築された部分と既存接合部に難があり、使い勝手を解消すべく間取りの変更を提案。同時に窓開口位置を見直し、現在の耐震基準に適合させる。高強度パーティクルボードなどを面材として用い、改修後の耐震診断評点は精密診断で0.75<倒壊する可能性がある>から1.23<一応倒壊しない>に大幅に改善しました。

使い勝手では、不満の多かったメイン改修部分である1階L・D・Kや玄関を奥様のイメージとしてあった‘京都の町屋’のデザイン・風合いを採り入れ、通風なども考慮し明るくモダンな演出をしています。

ストックルームは、女性3人の衣装部屋として使用。2Fの部屋に行くことなく、収納と着替えを可能にしました。
又、以前では孤立していたキッチンが明るく開放された事で、2人の娘さんと3人でキッチンに立ち、楽しく会話しながら食事の支度が出来、新設されたスタディーコーナーで勉強やパソコンなどを楽しんでいるそうです。

*耐震工法と省エネ工法(断熱)は<事例1>と同様です。

建物の傾斜

事前調査時点から床が傾斜している事が判明していましたが、解体後の再調査で地盤沈下が確認されました。お施主様と相談の結果「基礎補強地盤沈下修正工事」を追加し、地盤沈下している数カ所の基礎下部に‘アンダーピーニング工法(杭挿入)’にて基礎補強工事を行い、建物傾斜を改善しました。

*アンダーピニング工法
沈下している基礎の下部を掘り下げ、ジャッキを使い長さ300mmのコンクリート杭を継ぎ足し、支持地盤にまで到達させて一体杭を構成させる工法


写真でみるBEFORE & AFTER

BEFORE → AFTER

工事前の玄関と外観

断熱性能が無いアルミ製玄関ドアとリシン吹き付けの外観

完成後のエントランスポーチ

モダンな断熱玄関ドアと檜無垢板や檜柱で和を演出

工事前のエントランスホール

一般的なガラスドアと階段下物入れ

完成後のエントランスホール1

和のイメージを持つ格子柄無垢ドアと天然木フロア

工事前のアルミ玄関ドア

断熱性が無く、寒く暗い玄関ホール

完成後のエントランスホール2

一面の壁だけトーンを変えて鈍い陽光を採り入れたホール

リビングから台所と和室を望む

連続性が無く使い勝手が悪いリビングと台所

リビングダイニング・キッチン

必要な耐力壁を飾り壁にして連続性を確保し陽光を入れる

工事前のキッチン

格好は良いがバックヤードが無い為使い勝手が悪く、ダイニングとリビングから孤立していた

キッチン・ダイニング

リビングに対し対面とし、横にダイニングテーブルがきます。バックにはカップボードとパントリーを装備。右のカウンターはスタディーコーナー

リビング入口から和室方向を望む

ただ広いだけのリビングと孤立している和室和室は物置として使われていた

ホール正面の飾り壁&棚

飾り壁は‘なぐり’という波が打っているような模様があり、陰影のある素材

工事前のリビング

手前の下り壁から手前は違工法により増築されていて床の傾斜などが見られた

完成後のリビングを望む

床の傾斜を改善し、キッチン・ダイニングとリビングを一体の空間として家族の動向を感じる事の出来る明るい空間になりました。

工事前の洗面室

広さは十分だが暗い洗面室

完成後の洗面室

入って右側にあった洗面を正面にし、壁上部と天窓から採光を確保。明るく衛生的な洗面室になりました。

事例3 松戸市幸谷の家

経緯

ご夫婦とお子様一人の3人家族が住む、築20年の建売住宅を「日当たりの向上と結露対策&住み心地の良さの追求」そして「効率の良い冷・暖房を目指した断熱の強化」を目的として今回のリノベーション工事を決意されたA様。
インターネットの検索で弊社を含む数社に相談されたそうですが、最終的には実績の多さ&提案力、そして女性(主婦)コーディネーターがいる弊社を指名されました。

取組

図面を見せて頂いた限りでは耐震に一番問題がありました。精密診断を行い、耐震を含めた‘使いやすさと充実した収納’を考え大幅な間取り変更を提案する事により、既存住宅の耐震強度0.65(倒壊する可能性あり)から1.64(倒壊しない)に大幅に改善。

省エネ部分の改修では、弊社新築住宅と同じ外張り断熱を採用し、気密もUP。(下記参照)
これにより外気温32℃の真夏時でも、室内はエアコンを点けずとも28℃で家中(1階)一定温度。
また結露対策は、これも弊社新築住宅同様、次世代エコサッシと言われる遮熱・高断熱ペアガラス樹脂サッシを採用する事で生涯結露無しの生活が出来ます。
又、基礎断熱を採用している為床下部分に直接物が収納出来ます。

日当たりと使い易さを追求した間取りでは、収納を約7倍(面積)に増加させ、生活動線をシンプルに。
使いづらかった既存のバルコニーを解体してリビング上部にトップライトを入れ、壁面の窓も配光を考えた位置にした事で家内が隅々まで明るい空間となっています。
階段下を利用した2帖の書斎がご主人のお気に入りです。

耐震と断熱

改修部位BEFOREAFTER
基礎布基礎で床下部は土の状態で換気なし鉄筋で補強の後、コンクリート敷き
土台の上に根太、その上にフロア土台・大引の上、厚床合板28mm ネダレス工法
内・外壁筋交い(斜材)にて耐震
但し、入れ間違いにて強度なし
高強度合板+ホールダウン金物+コーナー金物にて耐震(既存の2.5倍の強度)
基礎断熱なし基礎外張り断熱(内部)+土間断熱 40mm
外壁断熱グラスウール50mm外張り断熱 40mm
屋根断熱なし屋根用RZ外張り断熱 50mm
玄関ドアアルミ製ドア断熱・気密ドア(FRP製)
アルミシングルガラス遮熱・高断熱ペアガラス樹脂サッシ(エコサッシ)
換気なし24時間ダクト式機械換気システム

BEFORE → AFTER

既存住宅の外観

高台で周囲を住宅に囲まれている為一部のみですが、モルタル壁で玄関や窓は全てアルミ製、ガラスはシングルガラスです。

改修後の外観

改修後の外壁は、高強度合板の上外張り断熱を施し、通気+乾式サイディング仕上げ。玄関は、断熱気密ドア

既存住宅の玄関ホール

一般的な住宅の玄関ホールですが、土間と床との段差が245mmありバリアフリー基準外でした。

改修後の玄関ホール

玄間正面に趣味のロードバイクを収納及びディスプレイしました。
インテリアはパインで統一し、木の温もりを感じる空間になりました。

既存:玄間ホール~

手前に見えるのが和室の入り口
廊下を進んだ正面がリビングです。

改修後:玄関ホール~

外断熱の効果により仕切りのない一体空間としました。
右に見えているのは、電気蓄熱式輻射熱暖房機。冬はこれ1台で家中を暖めます。

既存:リビング~和室

6.7帖のリビングとデッドスペースになっていた和室です。
奥の押入れは結露により‘カビ’の巣窟になっていました。

改修後:リビング・ダイニング

1つの空間となったL・D・K
正面の壁は柱を化粧として出し、パイン材でデザインしました。
これは、空間のポイントとして、階段とトイレドアの目隠しをして空気の流通口にもなっています。

W・I・C(ウォークインクロゼット)

収納面積は以前に比べ7倍に増えました。
内部の家具はIKEAの商品です。
建築的に棚などを作るより割安で、将来の変更にも対応できます。

既存:2階の洋室

既存の2階の洋室は使用されず物入れになっていました。

改修後:書庫

ご夫婦共に蔵書が多く収納場所に苦慮していた為、不使用の洋室の半分に2×4の構造材で本棚を作りました。「いくら載せても大丈夫!」と好評です。

ここがポイント!

耐震

高強度パーティクルボード
壁を面として支えます

既存の住宅での構造は、地震などの外力に対抗する‘筋交い(すじかい)’という斜材が入っていましたが、入れ方に問題があり機能していませんでした。

今回の構造改修では、2×4工法(ツーバイフォー)の考えを取り入れ弊社新築住宅にも採用している'高強度パーティクルボード'を採用して、外壁を1枚の'面'として強度を高めました。
これにより、壁強度が2倍となり地震時の揺れを緩和しています。
また、地震時の縦揺れに対抗すべく'引き抜き金物(ホールダウン)'や各柱の軸力を強化する'コーナー金物'も追加されています。

ケミカルアンカー(セッター)+引き寄せ金物
基礎と土台を貫通させ柱に引き寄せ金物を付ける際に、ボルトを基礎内で固着させるためのいわば接着剤で、穴を明けた際に入れます。

コーナー金物
床合板(28mm)と柱を繋ぐ金物で、引き抜きの力に対抗します。
全柱に装着しています。

基礎の改修
既存の住宅では床下は土であり(左写真)、内部基礎では空気が通る穴もありませんでした。
改修では、点検が出来るように既存基礎に穴を明け、土間部分も基礎を補強する鉄筋を入れ、現在の基礎と同じく‘ベタ基礎’にしています。
これにより基礎断熱と併せ、床下は湿気も無く室内空間と同じ環境になっています。

根太レス工法
根太レス工法とは、通常基礎の上の土台に根太という小さな材料を通して床下地を作るところ、土台(大引)を均等な間隔で並べ、厚床合板(28mm)を直接敷き込み、床の剛性を高める工法で、最新の耐震技術となっています。

腐食材の入れ替えと構造の組み換え
ほとんどの場合、水廻りの木材は腐食しています。改修工事ではこのような材料は全て新しい材料に入れ替えをしました。
また今回の工事では、間取りの変更も行っているので、柱を抜いたり、新しく入れたりしているため、構造の組み換えが必要となりますが、その際の材料も高い強度がある集成材を使用しています。

省エネ(断熱・気密)

既存の住宅では外壁にグラスウール(10K)50mmが装填されていましたが、残念ながらいい加減な入れ方だった為、機能していませんでした。壁内部では結露も見られるほどのありさまです。

今回の断熱改修は、弊社新築住宅と同じく'外張り断熱'を採用ました。
外壁は'壁用外張り断熱40mm'、基礎は'基礎用外張り断熱40mm'と'土間用ボード40mm'、1階屋根は'屋根用外張り断熱50mm'&'高性能グラスウール100mm'のオリジナルW断熱で家全体(1階部分)をすっぽり覆っています。
これにより24時間ダクト式換気システムと相まって、改修階全体が一定の室温となり、快適な空間が出来上がっています。

既存の断熱材
挿入の仕方も悪く、水廻り部では壁内での結露も見られました。
今現在でもこのような間違いだらけの断熱施工が行われています。このような施工では省エネを謳う事は出来ません。

基礎断熱
基礎断熱は、内部から施工しました。
奥に見える白いボードが基礎の立ち上がりの断熱、黄色いボードは土間用のボードです。
基礎の熱橋(ヒートブリッジ)を緩和します。

壁断熱
外張り断熱材は、外張り断熱のパイオニアであり高い性能を誇る‘アキレス’の‘外張りQ1ボード’を使用しています。横に這っている黒いテープは気密テープ、竪に流れている黒い材料は外壁通気工法の胴縁で空気を下部から取り入れ、上昇気流を生むことで断熱の効果を高める工法の材料です。
通常、木材を使用しますが弊社では将来にわたり腐食がない樹脂製の材料を使用しています。

屋根W断熱
弊社新築住宅では標準仕様となっている独自の断熱方法で、屋根を構成するタル木の上部では屋根用外張り断熱、内部では高性能グラスウールを使い北海道地区でも通用する性能で、寒い冬も暑い夏でも快適な空間を作る為の断熱です。

インナーサッシ
間取りや断熱などの改修はしなかった2階ですが、窓だけは改修をしました。
平成25年までの時限処置である「リフォーム減税」に対応すべく、既存のアルミサッシの内側に樹脂製のペアガラスを装填。
窓からの熱の出入りを大幅に削減でき、次世代省エネ基準をクリアする、優れものです。

弊社では新築住宅以外にも、今回の建物のように「耐震」や「省エネ」を伴う‘リノベーション工事’(生活改善型)や‘手すり一本’からのリフォーム工事まで、幅広く工事を行っています。

事例4 柏市 根戸の家

ここでご紹介する耐震省エネ改修事例は、同居するお母様の為に耐震から省エネ改修、そして生活改善(間取り・使い勝手・バリアフリー)までの改修工事を行った事例で、数々の業界新聞や雑誌にも取り上げられました。

経緯

お施主様は、弊社が載っていた【千葉で家を建てる】の本から、近隣である弊社に興味を抱き、ホームページを確認され来社されました。

取り組み

来社された際の第一声が「家が寒いんですけど、暖かく出来ますか?」という単刀直入な言葉でした。
お話を伺い、ご自宅を拝見させて頂き調査、繰り返し行われた打ち合わせで省エネ改修の他、「近い将来、車椅子になるかも知れない母親の為にバリアフリーにしたい」「使い勝手が悪く、部屋が暗い」「地震が心配」など、改修は多岐にわたりました。

改修前と改修後の設計図です。
設計図でもわかるように主生活の場を今回の改修工事としました。
使い勝手の悪い台所~和室~客間を一体の空間として、暗く寒い裏廊下~水廻り~和室も廊下を無くし、お体の不自由なお母様の為に車椅子でも容易に動けるように徹底したバリアフリー化を行い、動きに無駄の出ない間取りとしました。

また、設計段階で「1階の続きの和室はほとんど使わない」という事で、今回の改修からは除外。併せて断熱区分からも除外する事で改修コストを削減する事が出来ました。

1階の改修部分だけでも畳46帖分にもなりますが、エアコン1台ですべての空間の暖・冷房を賄っています。
お施主様にお伺いしたところ、真夏では29℃の除湿運転、真冬でも20℃の設定で十分暖かく過ごせるそうです。
まさに‘省エネ’を地で行く改修となりました。

改修前と改修後の設計図

以下にBEFORE AFTERや数々の耐震や断熱などの工夫をご紹介します。

BEFORE → AFTER

既存の外観

典型的な農家風住宅のたたずまいで、外壁は‘焼杉板’と漆喰で構成されています。写真は南面

北側の完成外観

北面は今回の工事で大幅な改築を施したため、既存の外観に合わせ新しい‘焼杉板’を張りました。

既存の客間

この奥に陽の当たらない和室、そして台所がありますが、暗く寒い空間で使い勝手も悪い間取りです。

リビング・ダイニング

客間・和室・台所を一つの空間として、リビングとダイニングキッチンの間に畳の間を設け、明るく心の休まる空間にしました。

既存の中間和室

暗く寒い、使い勝手の悪い空間です。

畳の間

壁を取り払い、リビングとダイニングキッチンを空間を繋ぎ、キッチン側の障子を閉める事でキッチンを見えなくする事が出来ます。

既存の台所・裏廊下

一部土間を含む台所で段差も多く、食器棚の配置などでも使い勝手が悪かったようです。

開放的で明るいダイニングキッチン

食器棚や冷蔵庫などの配置を考え、使い勝手と空間の開閉を計算し、明るく温かい空間となりました。

段差だらけの裏廊下と水廻り

北側の水廻りです。寒い・暗い・段差の三重苦の空間です。この手前にお母様の和室があります。

明るく温かい、そして段差のない快適な水廻り空間とお母様の部屋

お体の不自由なお母様が車椅子になっても不自由なく動けるよう設計された水廻り空間と部屋。

以下に改修のキーポイントを写真で解説いたします。

解体です。
ご覧のように壁の中は結露しています。
断熱材の施工が悪く、夏冬問わず結露していたため、構造材である柱や間柱にも腐食が見られます。
この住宅は、建築されてからまだ15年と築浅ですがこのような状態です。
断熱材の施工は一歩間違うと‘家’そのものを崩壊させてしまう要素を含んでいます。

土台の腐食状況です。
この部位は水場ではなく、普通の部屋の外壁です。
外壁施工と断熱施工の弊害がこのように構造体をむしばんでゆきます。
正しい施工技術と正しい知識で作られていればこのような事にはならなかったはずですが・・・

上記の土台を入れ替えた写真です。
この土台を始め、腐食材は全て交換しています。
この住宅は、基礎と土台との間に‘ゲタ’と呼ばれる木材で床下の通気を行うもので、現在にも通じます。
現在では木材の代わりに‘高強度プラスチック’製となっていて基礎の風孔を作らない為、基礎の強度を落とす事のない良い工法です。

後にも出てきますが、床下に防湿コンクリートを打ちました。
ただコンクリートを打つだけでなく、現在のベタ基礎と同じように土間部分に鉄筋を配し、基礎の一体化を図っています。
このような基礎補強を行う事により、地震時の地盤の欠落や液状化などに対抗しえる安心な基礎になります。

腐食していた構造部材を入れ替えて、現在の先進的な仕様と同じく、構造用合板で構造耐力をと取りました。
弊社では在来工法でもツーバイフォー工法の長所を生かし、筋交い(斜材)に頼らない、面で支える高強度な耐震設計をしています。
合板も日本の縦使いではなく、欧米のような横使いをして‘ねじれ’に対抗する構造としています。

耐震構造計算により、地震時の縦揺れに有効な‘引き寄せ金物(ホールダウン)’を必要な個所に装備しました。
弊社の新築では当たり前の装備ですが、リノベーション(リフォーム)工事でも改修の規模により、現在の耐震基準にまで耐震性能を引き上げる事が可能です。
これこそ、さらに数十年と安心して暮らしてゆける「目に見えない安心」となります。
耐震診断士だからこそ出来る‘技’なのです。

金物は、隅角部にいれる‘火打ち金物’で、建物の変形を予防する金物です。
また金物の奥に見るベニヤは、‘通気止め’です。
在来工法で床下が通気している場合の欠点が壁の中に入る空気です。
湿った空気が壁体内に入るとたとえ内壁でも‘結露’が起こります。この住宅でも起こりうる為、各壁で壁内に空気が入らないように施工しています。

外張り断熱と樹脂サッシ。
大幅な改修を行ったため、新築で採用している‘外張り断熱’を採用しました。
断熱材は、国内最高の数値を誇る‘アキレス外張り断熱材’を用い、サッシも熱伝導がアルミサッシの1/1000という樹脂枠サッシの採用により、枠も結露の心配がありません。
ガラスも新築住宅同様、省エネガラスの‘遮熱高断熱Low-E’を採用。
低光熱費を実現しています。

この住宅では、床下、つまり地盤面は土のままでした。その為、地盤面からの湿気対策として‘防湿コンクリート’を打ちました。
現在のベタ基礎でもそうですが、厚みのあるコンクリートは熱を溜めて少しずつ放出してゆく特性があります。
その特性を生かし、‘地熱’を利用した‘蓄熱体’となり夏や冬に安定した熱を床下から放出して床材を温め、足先などが寒さを感じる事がないようにしています。

間取りの変更に伴い、柱や壁などを撤去するため、梁の掛け替えが生じます。
構造強度と将来に亘る材の変化を考え‘大断面集成材’を用いて、構造の組み換えを行いました。

さて、ここからは断熱です。
新築住宅では‘外張り断熱’そして‘基礎断熱’も行っていますが、今回の既存住宅部分では床下の空気の流入を防ぐ事が出来ず、また基礎の断熱も不可能でした。そこで、床下は‘高発泡ポリスチレン断熱材 50mm’を床下に隙間なく敷き詰め、断熱化を図っています。
この上に構造用合板、そしてその上に桧の無垢フロアを張っています。

内壁と天井の断熱です。
内壁は上記設計図の工事範囲(赤線内)を‘高性能グラスウール’を用い断熱区画しています。
既存住宅では、1階の天井裏も断熱材がなかった為、同様の断熱材で施工。
ここまでご覧になってお分かりのように、この住宅では‘外張り断熱’と‘充填断熱’が混在しています。
断熱や断熱施工の知識や技術はもちろんの事、リノベーション(リフォーム)工事では、コストと性能のバランスが特に重要となります。
いたずらに高価格品を使うのでは無く、効果的な断熱をする事がコストを抑える要因ともなります。

これは、2階の天井裏断熱です。
当初、2階の改装は予定されていなかった為、既存の天井を壊すことなく施工できる‘現場発泡ウレタン’を吹き付けました。2階の壁は内側から解体して、外壁を壊さず‘高性能グラスウール’で断熱。
これで2階も1階と同様、暑さ・寒さから解放された空間となりました。

最後に内装です。
弊社では内装クロスに‘エコクロス’を採用し、接着剤も有害な化学物質を含まないものを使用しています。また、塗装も自然塗料を使用していますのでシックハウスシンドロームの方でも安心して暮らす事が出来ています。

新築・リフォーム共に弊社は「あなたの街のホームドクター」として、そして建築設計事務所として多岐に亘る知識と技術で、 安心と安全そして快適性を提供いたします。
まずは、ご相談ください。

リフォームについて
リフォームについて

Q:設計期間中、私たちの対応及び説明や進捗方法などは、いかがだったでしょうか?A:何もわからない状態でエムアンドエーさんに飛び込んだ私たちに対して一つ一つ丁寧に説明して頂き、とても感謝しています。私達が納得いく...